アニメにおける眼鏡描写、からの、『境界の彼方』栗山未来の眼鏡が凄いという指摘

アニメ(や漫画)における眼鏡描写は
よくよく注意して見ると、意外と面白かったりします。


アニメの眼鏡に関する記事ですと
たとえばこちらのゐろはさんの記事とか
いろんなアニメの眼鏡描写
近添真琴さんの記事とか。
アニメキャラが下だけにフチのあるメガネ(アンダーリム)をかけている理由
ピクシブの百科事典でも考察されています。
フルリム−ピクシブ百科事典


つまりは
眼鏡のツルをわざと消したり、
アンダーリムにしたりってことですが。
いずれの記事にしても、
ポイントなのは
キャラの瞳をちゃんと見せたいという理由で
メガネのフレームを消すことがあるのだ、
ということだと思います。


あるいは、
絵描きさんの作業効率を考えてみても
アンダーリムの方が単純に描くのが楽そうです。
瞳にフレームがかかるのは線が増えるからそれだけ面倒ですね。


いずれにしても
そういったことがアニメではよくあるというお話。


とまあ、
そんなように眼鏡描写には「消す」ノウハウがあるんだよという前知識を持った上で
栗山未来の眼鏡を見てみると、

これがあれ?おかしいぞ、話が違うぞとなるわけです。
アンダーリムじゃない!フレーム消えてない!
え?何これ。すごくない?すごくない?となるわけです。
栗山未来の眼鏡はそのフレームが瞳孔の真上をしっかりと横切ります。
アニメのキャラデザ的に見て、これはおそらく常識外れです。



どのシーンを抜粋しても、
ぶっといフレームが目の上をしっかりと横切る。
7話まで見て確信しました。この眼鏡の位置は絶対に揺るがないです。
下にさがり過ぎて『GA』の山口如月みたくなってもダメ、
上過ぎて瞳がフレーム内に綺麗におさまってしまってもダメ。
このちょっとずり落ちたような位置がいいんです。


フレームが目を横切っているわけですが、
先ほどあったフレームが瞳を隠す問題というのも
栗山未来の場合、あまり感じられないと言いますか、
むしろ瞳のど真ん中を通るこの位置以外ありえないとすら思えるのです。


細目だったらアウトだったと思うのですが、
栗山さんは目が縦に長い特徴があるので、
フレームが横切っても大丈夫なのかなあとか。
他にも輪郭とか鼻とか
色々な要素含めた全体的なバランスによるところも大きいのでしょうが。



眼鏡を外した時に、「あれ?なんか物足りないなあ」となるのも凄いところです。
普通、眼鏡を外したら美人になるじゃないですか?
それがならない←失礼。
そうさせるという点で栗山未来のキャラデザは凄く凝っているんだと思います。


彼女のカラーリングを見てみますと、
顔の各パーツの明度が近いのでコントラストがあまりないんですよね。
だから、赤い眼鏡をかけていないと、パッとしないと言いますか、
そういった配色の影響もあるのだと思います。
(予備知識として。栗山未来と配色が似たキャラに『銀翼のファム』のファムファンファンや『有頂天家族』の海星などがいますね。いや、二人ともちゃんとパッとしてましたけど。)



配色の話になりますが、
赤眼鏡+ヘーゼル(薄く黄色がかった瞳)って結構合うんですよね。
この金田利子(『めちゃモテ委員長』)がそうなのですが。
栗山未来もそこだけ見れば同系統。赤とヘーゼルってしっくりくるんですよ。
まあ、髪の色は全然違うんですけどね。
あ、けど髪型けっこう似てないですか?そんなことないですか。


閑話休題
京アニの眼鏡キャラと言えば

このお二人。あれ。長門が抜けてますね汗。あとFree!の怜ちゃんもそうですね。
天下無敵の京アニ様でさえも、
アンダーリムだったり、ツルを消したり、瞳にフレームがかからないように
そういった創意工夫をこれまでしてきたのです。


そんな鉄の掟が最初に打ち崩されたのが

実は北白川たまこ(私が知る限りで、ですが。)
しっかりと、瞳の中央を横切っていくスタイル。
常に眼鏡オンではないので、栗山さんよりは楽でしょうが。
栗山さんは常時眼鏡オンですから大変です。


他作品を見てみると、

『ヤマト2199』の新見さん。
たしかこの回の回想でしか出てこないまだ若かりし頃のレアな新見さん。



凛々蝶様とか。可愛い。
普段は眼鏡かけていないキャラなので、レアです。可愛い。


レアだと、こういった眼鏡もあるということなのでしょう。
作画さんこのシーンだけだから頑張って、みたいな。



そうそう。『ひだまりスケッチ』の 沙英さんを忘れてはいけない。
常時眼鏡オンで、瞳にフレームがかかっているキャラ。
デザインを見てみると、栗山さんとは違って、なるべく描きやすいように
直線・直角で構成されているのがわかります。


最近の漫画ですと、
もやしもん』の西野円がフルリム眼鏡キャラで
栗山未来みたいな感じでした(最終巻あたりで出てきた人)。


探してみるといないことはないです。
けど少ない。あまりお目にかかれない。
それだけ倦厭されているのか。
けど、やると眼鏡の存在感がぐっと増します。


境界の彼方』は1クール通して、
栗山未来の手間のかかる眼鏡描写を徹底しようとしている点で、
今後のアニメガネ界に一石を投じたと言っていいでしょう。


この横切り眼鏡、次はどのアニメで見られるのでしょうか。楽しみです。
ちなみにこれだけ眼鏡のことを書いておいて、
『メガネブ』はまだ1話も見れていないです。すみません。
ちゃんと時間つくって見ます。