『COPPELION』8話のGoHandsカラーフィルターを見る
『COPPELION』の8話が
なかなかにカラーフィルターづくしな回で
気になったのでメモ。
GoHandsのカラーフィルターというと、
『K』や『マルドゥック・スクランブル』で
使われ始めたいわゆるキラキラ虹色フィルターの事ですね。
『COPPELION』は震災の影響で
制作時期的には『K』よりも古かったりするので
その分、フィルターの使い方という点では
『K』よりも試行錯誤で実験的に使わているように感じます。
8話では
1つの画面に2色のカラーフィルターを使うシーンが多く見られました。
『COPPELION』8話
絵コンテ:菊田幸一、金澤洪充
演出:杉生祐一
作画監督:松本卓也
2色フィルターの前に、1色フィルターの例を紹介。
紫、緑、青、赤といった感じで綺麗に決まっていますね。
ちなみにフィルター無しのノーマルだとこんな色合いになりますね。
普通ですね。普通のアニメって感じがします。
そして、これらが2色のカラーフィルターを使用した例。
黄緑と紫とか、赤と青とか、青と黄とか、いろいろありますけど、
1つの画面を2色の領域で分けている点が面白いなあと思います。
光源の色と暗闇の色にそれぞれ独特の拘りがあるのかなあと思います。
自然にしようと思えば、もっと自然に出来るのでしょうし。
単純に格好良く見せたいというのもあるでしょうが、
一方で被写体の感情をのせるという演出意図も当然あるのだと思います。
『ef - a tale of melodies.』4話
絵コンテ:園田雅裕、羽多野浩平
演出:工藤進
作画監督:松本文男
『ef』ですが、
カラーフィルターを駆使した感情表現の例。
赤と青という対極の色を左右に配置することで
両者の心情に温度差があることをわかりやすく演出しています。
こういった演出を『COPPELION』でも目指していたりするのかなあとか。
ちなみにこの回はGoHandsの工藤進さんが演出された回です。
このカットに似ているかもしれないですね。
部屋に引きこもっている葵と、
プラネットの中にいながら外の世界にあこがれるノーセンス。
黒と白のコントラストが対照的です。
カラーフィルターではないですが、
このように背景の色で領域を分断するのも良いですよね。
空の青と茂みの緑。
ここは斜めに映すのも決まっています。
『蒼き鋼のアルペジオ』1話
絵コンテ・演出:柿本広大
CGディレクター:今義和
似た例で『アルペジオ』の1カットとか。
背景のカラーバランスが良いなあと思いました。
掲示板が緑、空が青、校舎が赤(茶)とまさに狙ったような配置。
脱線しましたが、
カラーフィルターの使い方という観点で見ると、
『COPPELION』は粗削りなところもありながら
かなり面白い事をやっているなあという印象です。
そんな『COPPELION』での試行錯誤の成果が
『K』のフィルターに表れているのかなと思ったりもします。
というわけで、
GoHandsの次回作『役員共』の2期を楽しみにしつつ…。
(あの作品でカラーフィルターはないとは思いますが)