青い花OPの演出 幾原邦彦と斜めの構図
『青い花』のニコ生一挙放送を見ました。
頻繁に見返す作品ではあるのですが、
改めて通して見ると本当に良い作品ですね。
本エントリーでは
幾原邦彦さんが演出されたOPについて
色々と書いてみます。
絵コンテ・演出:幾原邦彦。
ふみちゃんとあーちゃんがただ手をつないで回っているだけのようにも見えますが、
ここのカットでは「斜めの構図」になっていることがミソでして、
私たちの視聴感覚としては、無意識のうちに
このように重力を分解して見ているのだと思います。
これの何が重要かといいますと、
「斜面に平行な分力」が生じる、ということです。
「斜面に平行な分力」が生じるから、
まるでふみちゃんがあーちゃんを
あるいはあーちゃんがふみちゃんを
引っ張り上げているように見えるのです。
これが幾原マジックです。
実際には斜めにはなっていなくて、
こんな感じなのだと思います。
けれど、これだと駄目なんですね。
引っ張り上げられないからです。
「斜め」に傾けることで、
私たちは画面の中に重力を感じられるようになります。
重力があると、引っ張り上げたり上げられたり、落ちたり登ったりすることができます。
幾原さんはその錯覚を巧みに利用して演出をされているように思います。
『輪るピングドラム』OPより。
振り向きながら、下から上に腕を振り上げる動作は、
重力に抗う印象を与えます。
身体を若干斜めに傾かせることで、抗う感じをより強く表現しているように思います。
『のだめカンタービレ』OPより。
左下へと吸い込まれるように倒れていく演出。
重力に従って落ちていく快感というのも
「斜め」だからこその演出のように思います。
そんな感じで、
幾原邦彦さんのOPについて書いてみました。
『青い花』の各話についても色々と書ければなあと思ってはいるのですが・・・。
まずは、BD-BOXを買うことから、ですかねー^^
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